
編集制作・マーケター 團野 智典 / Tomonori Danno
2007年新卒入社。30代メディアプロデュース部部長。入社後は『家づくりナビ』の編集ライターとしてキャリアをスタート。入社5年目で『家づくりナビ』編集長に抜擢。入社7年目で編集部の最年少マネージャーに昇進し、グルメや女子旅雑誌などの様々な雑誌の創刊、新規WEBサービスの立ち上げを牽引する。2019年から、編集部門、広告制作部門、デザイン部門を統括するメディアプロデュース部の部長職に。2015年度年間MVP受賞、2017年度編集統括部マネージャー部門 上期・下期 MVP受賞など。TV出演やラジオ、講演経験あり。
新規事業「ココカラ。」を立ち上げましたが、何がきっかけになったのですか?
2014年当時は『家づくりナビ』の編集長でした。出張で視察した企業が直接ユーザーと接点を持つ事業を展開していて。情報カンパニーとして、『家づくりナビ』や『金沢情報』、『ムック本』などいわゆる紙起点でのオフライン接点や、タイムリーに情報発信ができ集客効果を高めるWEBサービス(オンライン接点)はすでに提供していました。しかしそれらは「自ら情報の取捨選択ができる人」にとってのみ心地よいのだと気づかされたんです。
情報が爆発的に増えていくこれからの時代。
カスタマー自身が必要とする情報を、自ら取捨選択していくには、かなりの労力とストレスが格段に高まっていくんじゃなかろうか、と。
メディアとしては、情報の品揃えをどれだけ増やすかが当然ながら重視されるのですが、あまりに品揃えが増えていくと、かえってカスタマーにとって選びにくさが生まれてしまうのだろうと考えました。
ではどうすべきか。
それは信頼できる専門家に気軽に相談し、その人ならではの情報にパーソナライズすることだと考えたわけです。
居ても立ってもいられず、すぐに社長へ直談判。「じゃあ全部任せるからやってみてよ」と軽い感じでOKもらったことを覚えてます(笑)。
正直、事業として成立できるのか(売上や利益を持続的に出していけるのか)という確信をもっていたわけではありませんでした。ただ、「絶対にやった方がいい」という直感みたいなのが働いて、迷いや不安はありませんでした。
「ココカラ。」の立ち上げはどのように進めていきましたか?
当時の住宅事業の営業マネージャーと二人三脚で試行錯誤しました。
まずは、事業としてどんなブランドにしていくべきか、そのためのビジョンはどうするべきかを、とことん話し合いました。ブランド名は、それこそ200、300案では効かないくらい。時には意見がぶつがることもありましたが、プロジェクトメンバーで全会一致となったのが「ココカラ。」です。「相談者の方と一緒に新しい一歩を歩んでいきたい」。そんな想いを込めました。
そこからは怒涛すぎて正直あまり記憶がありません(笑)。相談スペースの改装工事やら事業計画やら、やること・考えることは山積みでしたが、ストレッチの効いたチャレンジに、みんな楽しんでいた気がします。
私自身も楽しかったですしね。営業・編集・マーケティング…。当時のプロジェクトチーム全員のおかげです。
新規事業の立ち上げにはどんな人が向いていますか?
新規事業で言えば、「こうなったら世の中がもっと良くなるよね」という課題意識を持って、それに対して熱量を持てる人。誰かから指示を待つ受け身の人ではなく、たとえ思い込みであっても、突き進んで「問いを正解にしていける」人だと思います。いま、カラフルカンパニーは、そんな変化やうねりを生める人材がもっと必要です。
現在どのような事業展開を考えていますか?
私たちは『金沢情報』『富山情報』を中心とした宅配型フリーペーパーモデルを強みに、ずっと事業をやってきました。そのため、地元では出版社というイメージをもつ人も少なくないです。だけど不確実性が高く変化の早い今の時代において、これまでの紙メディアを…とか、モバイル時代だからWebを…、という単純な時代でもないと思っています。
カラフルカンパニーの企業ミッションは、「地元の暮らしをカラフルに。」です。その実現のためには、「地域特有の価値を発掘・編集・発信し、そこに住む人が誇れるようなまちづくりの機会を生み出し続ける」ことなんじゃないかと個人的には考えています。それは紙だけじゃなくてWebでもリアルなイベントでも、『場』であってもいい。地域特有の価値である、「文化や歴史」、「人と人のつながり」を発掘し、を発信していくことが、地域経済を発展させることにつながると信じています。
クリエイティブを統括する部長・編集長として、いま取り組んでいることは?
いまは、基幹サービスの一つである生活情報(金沢情報・富山情報・高岡情報)の総編集長として、ビジネスモデルの価値の積み上げに着手しています。もともと配布エリア内世帯カバー率80%を超える宅配型フリーペーパーは、生活者のニーズを顕在化させ、日々の暮らしのなかに新たな気づきを提供できる特徴があります。私たちは、このメディア自体の価値はもちろんですが、生活者の自宅まで直接情報をお届けできる自前の配布組織ネットワーク自体にも、新たなビジネスの可能性が眠っていると考えています。
そんなプッシュ型の事業モデルの強みをベースにしながら、デジタル商品(SNS・WEB広告・WEBサービスなど)、家づくりナビフェスタなどのイベント企画を組み合わせていき、カラフルカンパニーならではの地域に根ざしていく情報サービスの強化に取り組んでいきます。
実際、オンラインとオフラインの組み合わせによって、サービスの利用者は堅調に拡大しています。私たちが手掛けるサービスによって、地元経済をもっとよりよくしていきたい。それほどに、地域にはまだまだ面白いことがたくさん眠っています。