INTERVIEWカラフルな人

鍛冶 郁生(中編)【編集制作】

2015年新卒入社

編集制作

  • 2016年6月:『週末、金沢あそび。』創刊号を制作・ライティング

 

(前回のまとめ)

当初、『週末、金沢あそび。』のターゲットである20代後半の女性について、ステレオタイプな想定をしていた制作チーム。しかし、その想定が正しいのか検証するために、「どんなことが好きなのか」「平日や休日は何してるのか」を突き詰めてヒアリングしたところ、当初の想定とは別の共通点がターゲットの女性たちに見えてきた。

 

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金沢あそび

 

【鍛冶】 実は、20代後半の女性にとって彼氏とデートに行くことって意外と“ 日常 ”のことであって、“ 非日常 ”のこととは捉えていなくて。彼女たちにとって“ 非日常 ”なのは彼氏とのいつものデートよりも、同性の友達とたまに行くご飯だったり遊ぶことだったんです。

【中井】 彼氏とのデートはときめかないの!? それすでに夫婦なんじゃないの(笑)!?  鍛冶くんは彼女とのデートにときめかないの!?

【鍛冶】 …僕はときめきます (笑)

【中井】 あ、そう (笑)。 付き合いが長くなるとときめかなくなるのかな。

 

中井さん4

【鍛冶】 そうかもしれないです。頻繁に会ったりするカップルは特に日常茶飯事になっちゃって、外食するときも適当にファストフード選んでしまうカップルもいたりするので…

【中井】 生活臭漂ってきちゃった感じだね。まあでも実態がわかってきたってことだよね。久しぶりに会う、学生時代の同性の友達と出かけるぞ~!ていうときに「実は良いお店知らないんだよね…」ていう、そんな本音が見えてきたんだ。

【鍛冶】 そうなんです。他にも、「夜のディナーよりもどちらかというとオシャレなランチとかカフェの方が知りたい!」という本音も見えてきました。週末、次の日仕事があるときなんかはディナーよりもランチの方がゆっくりできますし、それにおしゃべりする時間を楽しみたいとなると、カフェみたいな落ち着く空間の方が居心地良かったりしますからね。

 

鍛冶さん7

【中井】 なるほど。それでだんだんコンセプトが絞られてきて、固まるのに3ヶ月くらいかかったんだ。そこからはもう一気にいけた?

【鍛冶】 一気にいきたかったんですけど、途中でなんだかんだと試行錯誤を繰り返しながら進めていったので、一気にはいけなかったですね。

例えば、それぞれのエリアごとに「体験秘話」の記事が掲載されてるんですが、これは最初、大きく取り上げるつもりはなかったんです。でも“ モノ消費 ”から“ コト消費 ”への価値観が移行してきているように、体験することに価値を感じる人が多くなってきているという話を聞いて、「それは本当なのか?」といろんな人にヒアリングしてみたんです。そうしたら、「体験をしてみたい!どこでできるのか知りたい!」という声があったので、それに応えるために、当初の計画より大きく取り上げることになったんです。

実際、この記事は好評価です!

 

鍛冶さん8

【中井】 ターゲットになる女性たちにヒアリングしながら、よりリアリティのあるコンセプトに近づけていったんだね。そんな中で、今回この本を作るにあたって一番大変だったのはどんなこと?

【鍛冶】 企画の一つひとつが本当に読者に楽しんでもらえるものになっているか確認するために、編集メンバー全員で街に出て、実際に体験コーナーに挑戦していったことが、思いのほか大変でした。とにかくリアルな情報を伝えるために、自分たちの身をもって体感していきました。

【中井】 僕もその話は聞いてるよ! 「自転車を1日レンタルして金沢のまちなかを周遊する」って企画を実体験してみたんだよね。

 

鍛冶さん9

 

【鍛冶】 そうなんです。この企画、実際に体験して初めて気づいたことが2つあったんです。1つは、自転車で一日中、まちなかを周遊するのは思ったより体力を消耗するということ。そしてもう1つは、僕が利用した自転車レンタルには30分以内に既定の駐輪場に駐車しないと追加料金がかかる、というルールがあったことです。この自転車レンタルサービスって“ ちょっと移動する ”にはとっても便利だけど、一日中移動するとなると使いづらい部分が出てきてしまう。だからこの企画にはちょっと無理があるな、とそこで初めて気付いたんです。

【中井】 なるほど。もし、経験せずに「自転車レンタルして金沢のまちなかをまわろう!」という記事を出してしまっていたら、それを見て実践した読者が苦労することになる。最近は観光のお客さまが増えて、道もすごく混んでるし、30分なんてあっという間に経ってしまうからね。

 

中井さん差し替え

 

【鍛冶】 そうなんです。想像だけで記事を書いても、本当に血の通った本にはならない。僕は実際に行ってみて見えてきたものとか、感じたものを読者に伝えていきたいし、それに実際に自分が経験してみないと、本当に共感してもらえる文章や原稿は書けないんじゃないかと思うので。

【中井】 素晴らしい!! それは基本だよね。

人間は、知ってることしか知らないんだよね。知っていることしか想像できないんだよ。「想像は脳の記憶」って聞いたことある? 頭の中にある経験とか知識とかをベースにして“ 想像 ”されるので、そういう引出しをいっぱい持っている人が「想像力が豊か」だっていう。そうじゃなければ創造性は発揮されないんだって。そしてその実体験が経験というレベルに昇華されることで、臨場感だとかリアリティ・共感性を伴った記事になっていくので、郁生の経験や考え方はすごくいいんじゃないかな。実践するのはものすごく大変だけどね。

【鍛冶】 そうですね。もし、実際に街に行っていなかったら、全然違う本になっていたと思います(笑)。

 

 

※後編-ニーズに応え、ニーズを創る仕事- に続く

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鍛冶さん10

 

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