INTERVIEWカラフルな人

中屋 麻衣子(前編)

2006年新卒入社

編集制作

  • 『金沢情報』副編集長を務め、2017年11月発行の『日帰りであそぶ いしかわの温泉』創刊にも携わる。 「温泉ソムリエ」の肩書きも持つ編集者。

【中井】 中屋麻衣子さん。2006年入社。『金沢情報』副編集長としてがんばってくれてますね。

【中屋】 はい。最初は契約社員として入って、1年ほどキャリアを積んで正社員になりました。

【中井】 『日帰りであそぶ いしかわの温泉』、いい感じで売れてるじゃん。この本のプロジェクトでは、構想段階から実務までリーダーを務めたんだね。

【中屋】 編集統括部長から「ラーメンと温泉の本、どっちがいい?」って言われたのがスタートでしたね。正直、ラーメンの方が、本が完成するまでのイメージはしやすかったのですが、何だかんだ温泉の本を担当することになりました(笑)。

【中井】 ははは! 温泉の方を任されて、どう思った?

【中屋】 「ハードル高いな~。“ 温泉 ”というテーマで、売れる本になるのかな!?」って思ってました。私の中で、温泉は、ちょっと年配の男性が行く場所というイメージが強くて。でも、責任者として新しい媒体を任せてもらえるってことと、有料販売誌をつくれるってことは、嬉しかったです!

 

 

【中井】 そっか、中屋はずっと『富山情報』とか『金沢情報』っていうフリーペーパーをつくってきたもんな。温泉の媒体創刊に向けて「こういう本にしよう」っていうベースのところから携わっていったと思うんだけど、コンセプトとかはどういう風に考えていったの?

【中屋】 雑誌を通して「ライフスタイルを提案したい」っていうのが、私がずっと持ってる思いなんです。「つまらない」って思ってたものも、見方を変えると「おもしろい」と気づけることがある。だから、どんな切り口にするかって、雑誌編集の醍醐味であり、おもしろさでもあると思ってるんですよね。

【中井】 そうやな。ひとつのテーマでも、どんな風に切り取るかによって「おもしろい」ものにも、「つまらない」ものにもなるよな。

【中屋】 今回の温泉の本について、社内でアイデアを出し合ったり、アンケートを取ったりすると、やっぱり温泉は「年配男性の行くところ」っていう印象だったり、「家族で泊まりに行くところ」っていうイメージが強いなって感じて。で、そこを敢えて「少し大人の女性が遊びに行くレジャースポット」として提案してみたらおもしろいんじゃないかって、考えたんです。

 

 

【中井】 ほお。一般的な印象から切り口を変えてみたわけだ。

【中屋】 そうです。そもそも、石川県は温泉が豊富で、ちょっと足を伸ばすと温泉地がたくさんあるじゃないですか。なんなら、金沢市内にだっていくつも温泉がある。そんな「当たり前」みたいにある温泉の魅力を、若い女性向けに切り取って提案してみたいと思ったんです。例えば、金沢に住む女性の週末の過ごし方に「日帰りで温泉に行く」っていう選択肢がひとつ増えたら、人生はもっと豊かになるんじゃないかなって。

【中井】 まさにライフスタイルの提案だね! 若い女性はある程度、時間とお金が自由になる層だしね。温泉をレジャーとして提案、おもしろいね。石川県の温泉って、どのくらいあるの?

【中屋】 私達がざっと調べた感じだと、宿泊施設とか公共施設とか全部ひっくるめて大小300くらいですかね。『日帰りであそぶ いしかわの温泉』では、その中から日帰りで利用できる温泉施設90カ所、おでかけスポット69カ所を紹介しています。

【中井】 温泉全体の30%くらいかな? 選定の基準とかはどう決めていったの?

 

 

【中屋】 女性が利用しやすい施設ということで、規模とか設備の充実度は基準の1つでしたね。でも、やはり温泉なので「泉質」は重要視したくて。源泉掛け流しの施設は、できるだけ優先しました。

【中井】 泉質にもこだわったんだ。それは女子目線で?

【中屋】 というより、温泉の本である以上は、本当の「温泉ファン」の人にも納得してもらえる本にしたいという思いがあったので。押さえるべき温泉は、ちゃんと掲載したいって思って進めました。

【中井】 コアな温泉ファンか。けっこういそうだもんね。そういう方にもちゃんと認めてもらえるような本にしようと進めたわけだね。そう言えば、温泉ソムリエの資格も取ったよな?

【中屋】 はい。東京まで研修に行って、勉強してきました。温泉知識ゼロからのスタートだったんですけど、資格を取ったことで泉質のこととかちょっと語れるようになりました(笑)。『日帰りであそぶ いしかわの温泉』にも、より深みが出たんじゃないかなと思います。

 

 

【中井】 取材を進める中で、大変だったこととか想定外だったことは何かあった?

【中屋】 能登から加賀まで石川県全域を対象にして温泉を紹介してるんですけど、小さな温泉施設だとメールもFAXもないってところもあって。郵送で原稿の確認をとったり、直接お伺いしたりっていうのは、ありましたね。でも、ほとんどの温泉施設の方が協力的だったことは、すごく嬉しかったし、本をつくっていくうえで励まされました。

【中井】 そっか、女性向けの切り口で温泉を紹介するっていう我々のプロジェクトに賛同と期待をしてくださっていることが、編集者としても原動力になったわけだ。

【中屋】 そうです。観光協会の皆さんにも、親身になってもらいました。本にクーポンが付いてるんですけど、観光協会の方々のお力添えもあって、多くの温泉施設が特典とかサービスを付けてくださいました。

【中井】 おお。ありがたいね。

【中屋】 ほんと、感謝しています。なので、取材や原稿のやりとりは思っていたより進めやすかったですね。大変だったというか、反省としてあるのは、大人数を引っ張ってプロジェクトをまとめていくっていう部分がなかなかうまくできなかったな、と。

【中井】 プロジェクトは何人くらいのチームで進めてたんだっけ?

【中屋】 編集課全員で進めるプロジェクトだったので、20人以上ですね。それまで私が担当してきた『金沢情報』や『富山情報』だと、ひとつの企画で2~3人、多くても5人くらいのチームで進めてきてたので。20人以上となると、進行管理から、メンバーの気持ちや方向性のまとめ方まで、少人数のチームとはやっぱり少し違うなって。今回はメンバーみんなにフォローしてもらってなんとか形にできましたが、次に何かやるときはもう少しうまく進めたいなと思います。

【中井】 中屋はアイデアとか思いはいっぱい出てくるけど、スケジューリングとか、アイデアを形にしていく実務が気持ちに追いつかないところがあるもんな(笑)。でも、温泉の本もしっかり形にできて、課題も明確になったわけだね。

 

※後半ー 編集者として心がけていること、そしてこれから挑戦したいこと ー に続く

 

 

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